消費税の会計処理
消費税の会計方法

海外配信の音楽ダウンロードに課税できるのか?

2012年9月17日号 PRESIDENTより
公認会計士・税理士 柴山政行
本日訪問数 昨日訪問数 訪問数合計
旅行情報満載 旅行管理者試験対策 旅行会社スタッフにも便利な情報ページ作成中
トップページ To Do リスト 営業スキル ビジネスマナー ビジネス文書・書面 WEB技術 クチコミサイト 運営者情報
税理士を探すなら、
 税理士紹介ネット
ニッポンレンタカー
格安航空券とは?
格安航空券の最安値比較
国内線格安航空券比較
海外ホテルクチコミ情報
アップルワールド
オクトパストラベル
【海外出張の航空券予約】
初心者でも使いやすいレンタルサーバー
Yahoo!カテゴリ登録審査
DELLコンピューター
エクセル関数
席次(上座と下座) 名刺交換
冠婚葬祭のマナー
嫌われる男・女の「行動」「外見
社内情報・個人情報をデータ化
リサイクルトナーの用で経費削減

携帯端末で電子書籍や音楽を楽しむ人が増えている。同じ作品をダウンロードするのに消費税課税と消費税非課税の店があったとしたら、あなたはどちらを選ぶだろうか。
 国内で商品を購入したり、サービスを受けた際には消費税がかかる。これは電子書籍などをダウンロードする場合も同じだが、現状、消費税がかからない。1000円の買い物をした場合、国内で買えば税込1050円のところ、海外から買えば1000円で済むのだ。
 現在、国内外の複数の企業が電子書籍への参入を予定しており、とくにアマゾン・ドット・コムが販売予定の「キンドル」は注目度も高い。配信サービスを利用する人が増えれば市場も拡大するが、海外配信の優位性が認識されれば、国内企業はビジネスチャンスを逃すことにもなりかねない。消費税が引き上げられると、さらに非課税の強みが増し、国内企業は競争力がない状態に陥るといっても過言ではない。
 ところで、消費税の会計処理についてご存じだろうか。
 事業者は「税込み方式」か「税抜き方式」のいずれかで会計処理を行う。ここでは一般的な税抜き方式について解説しておこう。税抜き方式は取引で得た対価と消費税を区別する方式だ。
 まず仕入れの際だが、たとえば1000円で部品を仕入れる場合、消費税を50円負担する。仕訳では借方に「仕入れ1000円」「仮払消費税50円」を記載し、貸方には「現金1050円」と書き入れる。仕入れは先々の商取引のためにも行ったものであり、仕入れにかかった消費税はあくまで「仮払い」として扱うのである。
 加工を経て3000円で販売すると、取引相手から150円の消費税を受け取ることになる。これは「仮受消費税」として扱う。仕訳の借方には「売り上げ3000円」「借受消費税150円」と記載する。
 消費税は消費した人が納める税金だが、消費者などが税務署に申告して消費税を納めるわけにはいかない。そこで商品を販売する側が商品の代金と消費税を受け取り、取引相手に代わって納税する、という仕組みになっているわけだ。言い換えれば、「預かった税金」であり、そのため、「仮受消費税」として会計処理するのである。
 ただし、企業は部品を仕入れる際に50円の消費税を仮払いしており、その分を差し引くことになる。仮受消費税150円から仮払消費税50円を引いた100円が、企業が納めるべき消費税額となる。仕訳では、借方に「仮受消費税150円」、貸方に「仮払消費税50円」「未払消費税100円」、と記載する。なお、設備投資をした場合など、仮払消費税が仮受消費税を上回る場合は差額が還付される。

 前述した課税・非課税の問題については、財務省が海外からの配信についても消費税を課す方針を固めたと報道された。しかし、海外からの配信サービスについて日本の消費税を課すのは難しく、時には現地の課税当局の協力が必要と思われる。インターネットは目に見えない取引であり、リアルな商品取引に比べて捕捉が難しいという問題もあるだろう。
 国内企業の中には税の不公平を解消する方策を求める声や、取引の規制を求める声が上がっているほか、楽天など、海外子会社などを通じた配信を検討する企業もある。
 消費税率が上がれば、非課税のメリットはさらに強くなり、国内企業は歯が立たない。また海外からダウンロードするということは輸入取引であり、国内企業が得られたはずの収益が海外に流出することになる。
 税務当局としては難しい舵取りを迫られそうだ。